尹基石准教授(物質変換科学ユニット)、Moniruzzaman Mohammad 学術研究員(三井化学カーボンニュートラル研究センター)らの研究グループは、阿蘇くじゅう国立公園内の温泉から新規に単離した細菌Citrobacter sp. S77株の細胞膜から高活性と高安定性の水素酵素とギ酸脱水素酵素を発見し、両酵素の精製と特性解析に成功しました。両酵素の共通点である細胞膜局在性に着目し、カーボン担体と高分子ポリマーで細胞膜を固定化し、非貴金属酵素触媒による水素駆動型CO₂還元反応を構築することにより、常温・常圧反応条件下での高効率なギ酸生成系の開発に世界で初めて成功しました。本研究開発においての特徴は、生体の電子伝達と物質変換反応において根幹になる厚さ数ナノメートル(nm)の細胞膜(plasma membrane)の特性に着目し、膜表面の親水性と膜内面の疎水性の機能を、人工的なエネルギー変換デバイスの構築に生かした点です。固定化細胞膜を用いることで、常温・常圧条件下でこれまで開発された人工細胞膜触媒系と比べ、216倍以上の高活性でギ酸のみの生成に成功しました。
本研究成果は、Elsevierの国際学術誌『Bioresource Technology』令和5年10⽉23 ⽇(金)にオンラインで公開されました。
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掲載誌:Bioresource Technology
タイトル:H₂-driven reduction of CO₂ to formate using bacterial plasma membranes
著者名:Mohammad Moniruzzaman, Hung Khac Nguyen, Yu Kiyasu, Takumi Hirose, Yuya Handa, Taro Koide, Seiji Ogo and Ki-Seok Yoon
DOI:10.1016/j.biortech.2023.129921