プレスリリース

【プレスリリース】従来よりも10倍厚い有機ELの開発に成功 –ディスプレイや照明への実用化が加速-

シェアする:

カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER) 光エネルギー変換分子デバイス研究部門の松島 敏則准教授と安達千波矢教授らの研究グループは、有機発光層を金属ハライドぺロブスカイト層で挟んだ有機ELを開発しました。ペロブスカイトの電気を流しやすい性質と簡単に薄膜化できるという性質を利用して、有機EL中のペロブスカイトの総膜厚を2,000nmに増加させました。従来の有機ELよりも10倍以上厚いにもかかわらず、優れた発光効率、駆動電圧、耐久性が得られることを見いだしました。

本研究成果を活用すれば有機EL製品を安価に再現性良く作製できるようになるため、産業分野に大きなインパクトがあります。レーザー、メモリー、センサーなどの他の有機デバイスに応用することも可能です。

本研究成果は科学技術振興機構(JST)ERATO「安達分子エキシトン工学プロジェクト」(JPMJER1305)の一環で得られ、また、九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所、日本学術振興会科学研究費(15K14149、16H04192)、キヤノン財団の支援を受けました。本研究成果は、令和元年7月30日(火)午前0時(日本時間)に『Nature』誌でオンライン公開されました。

詳しい内容は、九州大学ホームページ 研究成果に掲載されています。またこちらからもダウンロードできます。

九州大学ホームページ

九州大学プレスリリース(PDF版)

学術誌:Natureオンライン誌

タイトル: High performance from extraordinarily thick organic light-emitting diodes

DOI: 10.1038/s41586-019-1435-5