九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I²CNER)水素製造研究部門主任研究者及び最先端有機光エレクトロニクスセンター長の安達千波矢教授が、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(ERATO型研究)において、新規研究領域「分子エキシトン工学」が決定し研究総括に選ばれました。
■ 概 要
独立行政法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(ERATO型研究)において、新規研究領域「分子エキシトン工学」が決定し、最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)センター長/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所水素製造部門主任研究者の安達千波矢 主幹教授が研究総括に選ばれました。
今後、有機EL(Electroluminescence)を基点に、次世代の有機光デバイスの開発を目指して、必要な機能発現を目指した新しい分子設計の開拓を進めます。さらに、新しい概念を拡張しながら学理を確立し、高性能光デバイスを開拓していきます。
■ 内 容
この度、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(ERATO型研究)において、新規研究領域「分子エキシトン工学」が決定し、最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)センター長/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所水素製造部門主任研究者の安達千波矢主幹教授が研究総括に選ばれました。
戦略的創造研究推進事業は、我が国が直面する重要な課題の達成に向けた基礎研究を推進し、社会・経済の変革をもたらす科学技術イノベーションを生み出す、新たな科学知識に基づく革新的技術のシーズを創出することを目的としています。国(文部科学省)が戦略目標を設定し、そのもとにJSTが推進すべき研究領域と、研究領域の責任者(研究総括)を定めるものです。ERATO型研究では、選定された研究総括のもとに若手研究者を結集し、時限的なプロジェクトの中で独創性に富んだ研究を実施します。
本学においては、昭和62年度の國武 豊喜工学部教授(当時)、平成2年度の新海 征治工学部教授(当時)、平成20年度の高原 淳先導物質化学研究所主幹教授に次ぐ4人目の採択となります。
半導体機能を発現する有機分子を集積した有機光デバイスは、現在、さまざまな用途での製品開発が進められており、新しい光エレクトロニクス技術として期待されています。特に有機材料に電流を流すことで光を発生させる有機EL製品は、高精細ディスプレイや照明用などへの実用化が急速に進みつつあります。しかしながら、現在の有機ELは、低消費電力化や低コスト化など、さらなる特性の向上が必要とされています。さらに、有機ELを基点に、次世代の有機光デバイスの開発を目指して、必要な機能発現を目指した新しい分子設計の開拓が期待されています。
この度選定された研究領域「分子エキシトン工学」では、主に有機固体薄膜中における各種励起子(エキシトン)の基礎過程に焦点を当て、未開拓の分子エキシトン過程の制御により高性能デバイスを実現するという視点から、新材料創製を目指します。具体的には、励起一重項・三重項エネルギーレベルの精密制御、放射失活・熱失活過程の制御、エキシトン拡散過程と励起子間相互作用などを制御し、有機半導体レーザーなどの新しい光エレクトロニクスデバイスの創製を目指します。さらに、生体システムの光化学・電子伝達システムを利用した新しい発光機構デバイスの構築も目指します。
■ 今後の展開
これらの研究開発により、新しい光物理過程での理論・新材料の創出が進み、有機ELデバイスの基本性能向上や、情報通信用の新しい光源など、従来では実現不可能と考えられていたデバイスの創製、さらには、バイオエレクトロニクスの端緒を築くことが期待されます。本研究領域で、新しい概念を拡張しながら「分子エキシトン工学」を確立し、高性能光デバイスを開拓していきます。
今年度は環境整備期間としてプロジェクトがスタートし、2014年4月から本格的に5年間の研究を開始します。
※参考
JST発表リリース:
http://www.jst.go.jp/pr/info/info993/index.html

プロジェクト概念図