研究成果

【プレスリリース】ボトムアップ型エネルギーシステム構築の文化的重要性 ~人々の選好を通じた低炭素社会の実現に向けて~

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チャップマン・アンドリュー准教授(マルチスケール構造科学ユニット)らの研究グループは、強靭で公正かつ効果的なエネルギーシステムの構築にとって文化的要素 (例:人種集団間の価値観の差異) の考慮が重要であることを新たに明らかにしました。
本研究では、文化的要素がエネルギーシステムと結びついており、各人種集団によってエネルギーに対する考え方や優先順位(選好)が異なる点に着目しました。その上で、米国における人口動態の将来変化と電力インフラの地域差を反映させたエネルギーシステムを分析しました。その結果、人種集団ごとに希望する将来エネルギー源はそれぞれ異なるものの、すべての人種集団が安定したエネルギー供給の必要性を認識しており、天然ガスとともに太陽光や風力を中心とした再生可能エネルギーを重視していることがわかりました。そして、人種集団ごとの文化的要素を考慮することで、より公平で民意に沿ったエネルギーシステムが実現可能であり、さらに 2050 年までに再生可能エネルギーの導入が米国エネルギー情報局の予測よりも 19%増加しうることも明らかになりました。

プレスリリース本文は九州大学HPよりご覧いただけます。

また、本研究成果はEurekAlert!にも掲載されています。

掲載誌:Energy Economics
タイトル:Cultural and demographic energy system awareness and preference: Implications for future energy system design in the United States
著者名:Andrew Chapman, Yosuke Shigetomi, Shamal Chandra Karmaker, Bidyut Saha and Caleb Brooks
DOI:https://doi.org/10.1016/j.eneco.2022.106141

 

関連リンク
(左図)人種集団ごとのエネルギーシステム選好 (右図) 61%の再生可能エネルギーを含む将来エネルギーシステム