研究成果

【プレスリリース】廃棄物から資源へ:CO₂とプラスチックを太陽光で同時に有用化学品に変換する単一触媒を開発

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Nguyen Thanh Tam学術研究員(三井化学カーボンニュートラル研究センター)、中村潤児特任教授(物質変換科学ユニット/三井化学カーボンニュートラル研究センター)、Edalati Kaveh准教授(エネルギー変換科学ユニット)らの研究グループは、独自に設計した「ハイエントロピー酸化物」触媒を用いて、CO₂とPETプラスチックを、光エネルギーだけで有用な化学製品に同時変換することに世界で初めて成功しました。
従来のCO₂変換やプラスチックリサイクルのアプローチは、通常、一度に一つの汚染物質のみを処理し、エネルギー集約的である上、機能させるために追加の化学試薬(犠牲剤)を必要とすることが一般的でした。この新システムは、CO₂とプラスチックを相補的な反応パートナーとして利用することでこれらの限界を克服します。光によって生じた電子はCO₂を還元し、同時に生じた正孔はプラスチックを酸化・分解します。これにより、無駄な添加物を一切必要としない、相乗的で効率的な酸化還元サイクルが実現します。
環境負荷を価値ある資源へと変える、スケーラブルな「廃棄物から燃料へ」のコンセプトを確立するものです。持続可能な化学品生産と環境修復のための統合型光触媒プラットフォームに向けた重要な飛躍であり、循環型経済とカーボンニュートラルの目標に直接貢献します。

本研究成果は、Wiley-VCH社の学術誌「Small」(2026年1月28日付)に公開されました。

プレスリリース本文は九州大学HPよりご覧いただけます。

【論文情報】
掲載誌:Small
タイトル:Pollutants to Products: A Tailored Multicomponent Photocatalyst for Simultaneous CO2 and Plastic Waste Conversion
著者名:
DOI:10.1002/smll.202513379

関連リンク
(a) 光照射下におけるCO₂とPETプラスチックの同時光触媒変換の概念図。(b) 本研究で使用した光反応器の模式図。(c) 水酸ラジカルを介したCO₂還元とPET酸化のカップリングを示す提案反応経路。