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研究概要

分解性高分子材料

低温成形可能な分解性高分子
分解性高分子の機能化
高分子の分解メカニズム

CO2分離回収技術

CO2分離膜
電気透析によるCO2分離回収プロセス

研究テーマ

低温形成可能な分解性高分子 / Degradable polymers with low-temperature formability

 圧力変化により相転移する高分子多相系はバロプラスチックと呼ばれる。特に、二相系は詳細に検討されている。谷口研究室では、ポリカプロラクトンやポリ乳酸からなる分解性ブロック共重合体が、常温加圧下で成形できることを明らかにしてきた。これは常温常圧で相分離(固相)状態の共重合体が、加圧により相溶(流動)状態に相転移したためである。分解性バロプラスチックは成形加工の省エネルギー化とCO2排出低減に加えて、環境に負荷が小さい。最近、CO2を出発物質として、再生可能資源のみから合成できるバロプラスチックも見出した。これらは次世代の機能性高分子材料として期待されている。

 

 

I. Taniguchi, et al. Macromolecules, 2012

 

 

 

分解性高分子の機能化 / Functionalization of degradable polymers

 ラクトン(環状エステル)やラクチド(環状乳酸二量体)の開環重合によって得られるポリエステルの材料物性は、その一次構造によって決定され、官能基の導入による機能化(化学修飾)は一般に困難である。谷口研究室では、アミノオキシ基とケトン間の高い化学選択的反応を利用して、ポリエステル側鎖に種々の原子団を容易に導入することに成功した。これによって、分解性材料のさらなる機能化が可能になる。

 

 

  1. Highly reactive partners tolerate the presence of diverse functional groups.
  2. Reaction proceeds rapidly under mild reaction condition.
  3. Two partners react covalently to form stable oxyme linkage.

I. Taniguchi, et al. Macromolecules, 2005

 

 

 

高分子の分解メカニズム / Degradation mechanism of polymers

 分解性高分子の材料展開として、時限分解性付与による分解制御が最も大きな課題となっている。分解性は、化学構造、結晶化(度)、分子量、および共重合体においては組成に大きく依存する。これらのパラメータが分解性に与える影響について検討し、時限分解性高分子材料を設計する。また、PETのような難分解性高分子の分解性についてもそのメカニズムの検討を行っている。

 

 

S. Yoshida, et al. Science, 2016

 

 

 

CO2 分離膜 / CO2 separation membranes

 CO2排出抑制は、温暖化および気候変動問題を緩和するための重要な使命であり、火力発電所などの大規模CO2排出源におけるCO2分離回収技術の研究開発が盛んに行われている。膜分離法は省エネルギープロセスであり、次世代のCO2分離回収技術として期待されている。谷口研究室では種々の排出源からCO2を効率的に分離回収できる高分子膜の開発を行っている。特に、CO2とH2混合ガスより選択的にCO2を分離できる高分子膜は、石炭ガス化複合発電における燃焼前排ガスからのCO2分離や、現在の工業的なH2の製造プロセスである軽炭化水素の改質反応のカーボンフリー化を可能にするポテンシャルを有している。

 

 

I. Taniguchi, et al. J. Mater. Chem. A, 2013

 

 

 

電気透析によるCO2分離回収プロセス / CO2 capture by electrodialysis

 現在、アミン水溶液などを用いた吸収液法がCO2分離回収技術として実証試験に用いられているが、CO2再生時の加熱プロセスが大きなエネルギー消費を伴い、その実用化の障壁となっている。アルカリ水溶液を用いて排ガス中のCO2を分離し、電気透析により濃縮した後に減圧放散によってCO2を回収するプロセスは、既存の吸収液法と比較して著しくCO2分離回収の所要エネルギーを低減できる可能性を示唆している。そのためには低抵抗イオン交換膜の開発が必須である。

 

 

I. Taniguchi, et al. J. Chem. Lett., 2014