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2017.05.02

Jihui Jia(賈冀輝)学術研究員と辻健教授らの研究成果が『Scientific Reports』に掲載されました

CO2貯留部門のJihui Jia(賈冀輝)学術研究員と辻健教授らの研究成果が国際科学誌Natureの姉妹誌であるオンラインジャーナルScientific Reports』に掲載されました。

 

<概要>

二酸化炭素をメタンハイドレート層に圧入し、二酸化炭素とメタンを置換するアイデアがある。これが実現すれば、二酸化炭素の削減と、天然ガス開発を同時に行うことができ、魅力的なプロジェクトに発展する可能性がある。しかしこのプロジェクトの実現には、二酸化炭素とメタンのハイドレートの安定性を評価する必要があった。

本研究では、メタンハイドレートの開発と二酸化炭素の地中貯留を想定した温度圧力条件で、メタンハイドレートと二酸化炭素ハイドレートの弾性係数を評価した。その結果、メタンハイドレートのヤング率と剛性率は、予想通り、温度の上昇に伴って減少することが分かった。一方、二酸化炭素ハイドレートのヤング率と剛性率は、予想に反して、温度の上昇に伴って増加することが判明した。この二酸化炭素ハイドレートの特異な挙動は、ゲスト分子であるCO2の分子構造とハイドレートの結晶構造に起因することが明らかとなった。温度が上がると、線形的に二酸化炭素CO2分子の回転運動が増すため、それがクラスレートの格子構造を強く支える働きをする。一方、メタンハイドレートの場合には、ゲスト分子であるメタンCH4の形状が正四面体となり、温度に依存する動きがクラスレートの構造に影響にしないことが分かった。今回明らかとなった二酸化炭素ハイドレートの特異な挙動は、これまで知られておらず、二酸化炭素をハイドレートとして地下に貯留する上で有利な情報である。

 

本研究成果は、CO2貯留部門が目指す「分子スケールでのCO2の挙動」(プロジェクト1)に貢献すると考えられます。

 

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