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エネルギーアナリシス研究部門

研究内容

●  目的

本部門はI2CNERにおいて重要な役割を担っています。本部門では、CO2排出やエネルギー効率、コストに基づき、I2CNER内の研究を含め、現在及び将来のエネルギー技術について研究・分析しています。さらに本部門では、カーボンニュートラル・エネルギー社会を実現するためにI2CNERが示すべきビジョンやロードマップの作成と、その継続的な見直しや改訂を行い、I2CNERにおける研究が国内外のCO2排出量削減に大きく貢献できるよう支援しています。研究部門との強力な協力関係のもと、本部門で描くシナリオでは、最も有望かつ新しい技術オプションを適用し、2050年までに日本のCO2排出量を1990年比で70-80%削減する可能性を追求しています。I2CNERの各部門における研究は本部門の作成するシナリオと密接に関連しており、各研究プロジェクトのロードマップにおける短期・中期・長期的なマイルストーンは、シナリオで取り上げられた有望な技術オプションの開発と展開のタイミングを考慮して設定されています。これらのシナリオとI2CNER各部門のロードマップは、I2CNERでの研究及び世界的なエネルギー研究の進行に伴い継続的に見直しと更新が行なわれます。これにより、I2CNERの研究がカーボンニュートラル・エネルギー社会の実現にどのように貢献しているかを示すことができると考えます。さらに、エネルギーアナリシス研究部門は、日本でのカーボンニュートラル・エネルギー社会構築を達成する上で重要な障害となりうる事象や条件等の分析も行ないます。本部門では今後、再生可能エネルギーを利用した発電や新たなエネルギー貯蔵技術を考慮した電力インフラ、燃料電池自動車等への供給を想定した水素製造及び輸送のインフラ整備、再生可能燃料の輸入等の課題分析を行う予定です。

 

●  研究ハイライト

本年度、EADは以下三つの分野で成果を上げた:

  • 2050年における日本の低炭素エネルギー社会基盤に向けた技術オプションの初期検討。これは、日本のエネルギー未来へのビジョンにつながることが期待される。

革新的な低炭素エネルギー技術を適用することによる日本における潜在的GHG及びエネルギー使用削減を定量化するためのエネルギー技術システム・モデルの改善。

  • マイルストーンとタイムラインを含むI2CNER研究プロジェクトの初期ロードマップ策定およびロードマップにおける各研究部門の明確な目的とターゲット設定に対する支援。

 

日本の低炭素・カーボンニュートラル・エネルギー社会に向けた技術オプション

日本の将来の低炭素エネルギー社会に対する考察に関し、最新技術、将来のエネルギー需給、及び主な各エネルギー消費部門に関連するCO2排出量の検証を実施した。2050年のエネルギー利用は、政府の人口とGDP成長率の予測に基づいて予想した。そして、炭素排出が少なく、よりエネルギー効率の良い技術を使用する可能性に関連し、エネルギー消費部門を詳細について検討した。初期検討の結果得られた認識を、以下に記す:

  • 製造工程、電化製品、より小型の乗用車、照明、断熱、スマートグリッドなど需要サイドにおけるエネルギー効率の向上は、炭素排出量削減において重要である。
  • 日本におけるCO2排出の46%は、発電所起源であり、それが低炭素排出テクノロジーに向けた大きな焦点となる。発電分野では日本国内の再生可能エネルギー源(水力発電、風力、太陽光、地熱、バイオマス)及び原子力の利用が大きな効果をもたらすと考えられる。最新のよりエネルギー効率の高い化石燃料発電と、CO2の回収隔離・貯留(CCS)もまた、低炭素排出発電への道の重要な一部と考えられる。蓄電に加えてガスタービンなどの出力調整可能発電もまた、風力・太陽エネルギー導入を促すと考えられる。有機太陽電池、水素製造、大型の固体酸化物形燃料電池、及びCCSに関するI2CNERの研究は、このセクターにおける低炭素排出実現のカギである。
  • 産業部門(電力消費を含まず)においてはCO2排出は全体の23%を占め、熱の必要性がその主要因である。これに対しI2CNERの先端物質変換部門における研究、新しい化学テクノロジー、プロセス技術開発によって、エネルギー需要量が低減される可能性がある。最新のよりエネルギー効率の高い化石燃料利用技術とCCSも、このセクターの二酸化炭素抑制を可能にすると考える。
  • 輸送部門のCO2排出量は全体の21%であり、同部門もまた低炭素排出のためには重要である。 多くの二酸化炭素排出量抑制のための輸送技術が開発されており、その焦点は、CO2排出の大半を占める自動車にある。有望な技術として、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、電気自動車(BEV),及び燃料電池自動車(FCV)が挙げられる。HEVは、バイオ燃料を用いた場合、二酸化炭素排出量の大きな抑制となる可能性がある。PHEV・BEV技術を非常に魅力的なものとするには、二酸化炭素排出量のごく少ない電力供給網が必要となり、BEV技術には、航続距離やコストに関し幾つかの懸念がある。FCVは、水素製造のための十分な供給源を確保し、移行中の燃料補給インフラの問題に対処するのであれば、CO2削減への有力な選択肢となりうる。 I2CNERの固体高分子形燃料電池、及び低炭素型水素製造技術の研究は、低炭素排出自動車の開発に重要な役割を果たすと考えられる。
  • バイオ燃料は、日本の将来の低炭素エネルギーに非常に重要な役割を担う可能性がある。バイオ燃料は現在もしくは将来のエネルギー技術における化石燃料に取って代わることができる。日本はバイオマス資源を十分持たないが、バイオ燃料の輸入は検討事項となるであろう。

(注)部門別の報告CO2排出量シェアは、直接排出統計に基づいて算出されていることに留意。間接排出の統計に基づいた評価では、発電部門11%、産業部門37%、輸送部門22%、住宅部門16%、商業部門13%である。

日本において将来的に二酸化炭素排出の少ないエネルギー利用の形は色々と考えられる。技術と燃料の最適な組み合わせは、現在行われている研究の結果による製品コストと性能、そして再生可能エネルギーとCCSのポテンシャルと技術の社会受容に影響されると考えられる。

 

ロードマップ

I2CNERにおける全ての研究部門所属の研究者と面談を行い、EADは図25で説明するように、初期のビジョンとロードマップを作成した。主要ターゲットとマイルストーンを含んだタイムライン草案もまた、それぞれのI2CNER研究部門とともに作成し、本報告書内の各部門の当該セクションで紹介した。

 


日本のカーボンニュートラルエネルギービジョン

(技術オプションのパラメータスペース)

 

●  今後の方向性

  • 各研究部門のプロジェクトが、日本の将来の低炭素エネルギー消費のためのインフラに関連したものであり、適切な性能及び経済性の目標を有することを確認するため、研究部門との連携を引き続き実施する。また、必要に応じてシステム・モデリングと分析を行う。
  • 技術の分析と適用先システム分析について、競合する技術を考慮して実施する。
  • ETSS(エネルギー技術システム)モデルおよびEADで開発予定のその他分析ツールを用い、日本における炭素排出とエネルギー使用の削減へのI2CNER技術の潜在的な寄与の定量化を行う。
  • 技術オプション調査、潜在的シナリオのETSSモデル分析、およびその他各種の情報とツールを使用し、日本の低炭素排出エネルギー・インフラに向けたビジョンを構築する。
  • 一つもしくはそれ以上の因子で構成される国のエネルギー安全保障の評価手法を定義し、EAD分析に統合する。
  • 日本で用いられている現在のエネルギー経路向けのコスト、エネルギー使用、および温室効果ガス(GHG)排出の数値化に必要なデータを含むコンピューターによるデータベース・システムを開発し、研究開発中のI2CNERとその他におけるエネルギー技術を含むよう拡張する。
  • I2CNERの研究成果を活用できる可能性のあるエネルギーパスの分析とモデル化について、自動車に関して先行的に実施する。
  • 二酸化炭素排出量を削減し鍵となる技術とそのエネルギー・パスについて社会的受容性を評価するための社会科学研究の実施する。これにより、こうした新しい技術を社会に伝え、それに対する一般市民の認識を高める。
    • 社会選択理論に基づいたエネルギー技術の普及プロセスの研究を行う。

 

 

論文一覧

主任研究者

準備中

研究者

  • 板岡 健之(部門長代理)
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • James Stubbins
    イリノイ大学 ア-バナ・シャンペーン校(米国)
    http://npre.illinois.edu/directory/faculty/jstubbin
  • 黒沢 厚志 (WPI招へい教授)
  • 藤井 康正 (WPI招へい教授)
  • 広瀬 雄彦 (WPI招へい教授)
  • 本田 国昭 (WPI招へい教授)
  • 木村 誠一郎
  • Jack Brouwer (WPI招へい教授)
  • 赤井 誠 (WPI招へい教授)
  • Nugroho Agung Pambudi
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • Andrew Chapman
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
    http://www.andrewchapman.net
  • Nguyen Dinh Hoa
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
    https://sites.google.com/site/dinhhoanguyensite/

研究支援者

  • 柳 元子
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • 山川 夏樹
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所

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