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CO2貯留研究部門

研究内容

●目的

本部門の研究目的は、CO2貯留に適した貯留層の評価手法の開発、圧入したCO2の挙動を予測するためのモデリング手法の開発、長期的かつ安全なCO2の貯留に向けた圧入/漏洩CO2の効果的なモニタリング手法の開発、及び日本特有の地層に適した革新的なCO2貯留コンセプトの確立です。これらの目的を達成するために、残留・溶解・鉱物トラッピングを効果的に引き起こす間隙スケールでのCO2挙動を調べ、さらにそれを貯留層スケールに応用するための基礎研究を進めています。

 

ロードマップ

 
● 研究ハイライト

 

(1)微動ノイズを使った圧入CO2のモニタリング

微動ノイズを使って、地震波速度の変化を推定する地震波モニタリング手法を開発した。この方法はノイズから仮想的な震源を作成するため、地震計のデータだけを使って、貯留層周辺の地質構造を調べることや、その時間変化を抽出することができる。このアプローチは低コストであるため、CCS プロジェクトの長期的モニタリングでは、有効であると考えられる。湊ほか(2012, GRL)では、このモニタリング手法を東北地方の地震計データに適用し、2011 年東北地方太平洋沖地震で引き起こされた地殻内部の弾性波速度の変化を抽出することに成功した。弾性波速度の変化は、地殻応力の変化を表していると考えられるため、この手法を用いることで地殻内の応力変化を抽出できることが分かった。この手法を流体圧入試験で記録された地震計のデータに適用した結果、流体圧入に伴う弾性波速度の変化を抽出することに成功した。この成果は、CO2地下貯留における地層の安定性を、長期的かつ信頼できるモニタリング手法によって評価するという我々の目標にとって重要である。

 


(2) 漏洩CO2のモニタリング

我々が開発した測定機器及び設備を使って、海底からのCO2漏洩の発見と、そのモニタリングの方法を開発した。この研究(下島他、Applied Geochemistry, 30, 14-124, 2012)では、海底音響トモグラフィーを使って貯留層からのCO2漏洩を発見し、自律型無人潜水船に搭載されたpH/pCO2センサーを用いて漏洩地点の分布をマッピング、最後に遠隔操作無人探査艇を使って漏洩の影響のある地点をモニタリングするというものである。この研究は、長期的で信頼性のあるCO2漏洩のモニタリングを行うという我々の目標にとって重要な成果である


 


(3) 多孔質岩石中のCO2の挙動の解明

岩盤の物理的性質は、間隙中の流体の状態に影響を受ける。つまり、モニタリングから貯留層のCO2の状態を推定する際には、間隙中のCO2の挙動を知る必要がある。地震波を使ったモニタリングでは、弾性波速度の変化を使って、CO2の分布を評価できる。我々は、弾性波速度の変化と、間隙中のCO2の飽和度の変化の関係を確立するため、室内実験を行っている(北村他、Journal of MMIJ, 128,511-518, 2012)。さらに間隙中のCO2の挙動は、間隙の形状、圧力、温度条件に強く影響される。多孔質媒体におけるCO2の挙動を様々な条件下で定量的に調べるために、3次元のデジタル岩石モデルに対して2相の格子ボルツマン法を適用し、間隙中の超臨界CO2の分布を計算した(辻他, AGU fall meeting, GC51A-1176, San Francisco, December 3-7, 2012)。さらに間隙中の超臨界CO2の分布からは、弾性波速度と比抵抗を、有限要素法で計算することができる。つまり、この方法によりCO2の飽和度とモニタリングで得られる情報(地震速度と電気抵抗)の関係を、様々な条件で計算できる。この進行中の研究は、地層中におけるCO2の挙動、また間隙中でのトラッピングメカニズム、特に残留トラッピングの理解とモデル化に必要であり、我々の研究目的の一つとして重要である。


●  今後の方向性
上述のモニタリングとモデリング研究に加えて、日本のような島弧型の地質的条件においてCCSを実施するために、分散型CCS、再生型CCS、深海底CCSといった新しいCCS技術の開発を試みる。分散型CCSでは、主要なCO2のトラッピングメカニズムは、圧入したCO2を地層水に溶融させる方法である。この方法を使えば、比較的浅い貯留層(100m以下)に、低コストでCO2を圧入できる。再生型CCSでは、圧入CO2をメタン(CH4)に変換することを目指している。このCCSが実現すれば、CCSによって日本周辺で炭化水素を生産できる。また深海底CCSが実現すれば、日本列島周辺の深海底下の貯留層にCO2を圧入することができる。つまり日本周辺の広い海域に、大量のCO2を圧入することが可能となり、CO2の貯留量ポテンシャルが増加する。

 


CO2貯留部門 公式ホームページ
→ http://i2cner.kyushu-u.ac.jp/~ccs-div/

 

 


 


論文一覧

主任研究者

 辻 健 (部門長)
九州大学 大学院 工学研究院 地球資源システム工学部門
https://i2cner.kyushu-u.ac.jp/~tsuji/

 Kenneth Christensen
ノートルダム大学(米国)
http://engineering.nd.edu/profiles/kchristensen

研究者

研究支援者

  • 山口 友美
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • Amir Kohanpur
    イリノイ大学 アーバナ・シャンペーン校(米国)
  • Chandoeun Eng
    九州大学 大学院工学府 地球資源システム工学専攻

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