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触媒的物質変換研究部門

研究内容

● 目的

本部門は、基礎科学と工学の両面に基づいた新しい触媒を開発し、革新的なカーボンニュートラル技術の創出を目的としています。太陽エネルギー及び省エネルギーに係る触媒の研究に焦点をあてたもので、エネルギー、電力、工業生産過程における格段のエネルギー効率の向上及びCO2排出削減に寄与する潜在力をもっています。また、天然の酵素機能に基づいたH2、CO2、H2Oを活性化させるバイオミメティクス触媒の開発、至る所豊富な大気をオキシダントとして活用する省エネルギーで新しいグリーン物質変換システム、燃料酸化触媒、カーボンニュートラル電力発生サイクル用新奇材料の再生や製造などについて研究を行っています。

 

ロードマップ

 

● 研究ハイライト

本部門の現段階の重点研究は新しい合成ヒドロゲナーゼ(H2ases)の開発である。この基礎的だが方向性のある研究は、我々の中期研究目標に欠かせないものである。生体反応のように、小江教授グループは将来実現可能な革新的アプローチとして、機能的な[NiFe]ヒドロゲナーゼの合成に成功し、 H2活性化を証明した(サイエンス2013, 339: 682-684)。先行研究では、貴金属であるルテニウム錯体でH活性化メカニズムを提案している。Rauchfuss教授グループの先行研究では[NiFe]錯体合成に成功しているが、H2活性化能力はないものであった。小江教授のブレークスルーは、前述のふたつの欠陥を解決し、新しい触媒が予備段階ではあるが、触媒反応性を示した。例えば、この触媒は、燃料電池のようにヒドリドから受容体分子へ電子移動を可能にする。並行して、Rauchfuss教授グループは、その相関研究として錯体合成に新規補因子を導入し、バイオミメティクス水素触媒として研究を纏めた(Organometallics 2013, 32, 323)。小江教授とRauchfuss教授グループによる基礎研究は、大変興味深く、本研究は具体的かつ実用性のある新触媒開発へと進化している。概して、共同かつ相補的な取り組みは、非貴金属触媒を使用した水素燃料電池技術をさらに加速して行くことになる。

 

香月教授グループは、廃棄物をほぼ出さない有機化合物合成法の開発において順調に前進している。本年度のブレイクスルーは、温和な条件下で「C-H amination」反応を可能にした(Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52(6), 1739-1742)。この新しいショートカット変換反応は、以前の複数のステップにより、相当な廃棄物を生み出した反応とは違い、より効率性かつ選択性を示すものである。この研究テーマには、現在の研究目標に応じて多くのチャンスがもたらされる。例えば、室温の空気による不斉{ふせい}エポキシ化、酸素駆動によるヒドロキシ芳香族化合物の脱芳香族化、触媒的な鉄酸化メカニズムの解明、不斉アジリジン化など幅広く挙げられる。

 

山内准教授グループは、選択的プロピレン合成触媒と高磁化磁石の生成ができる非白金ナノ合金を使用することで(Nanoscale. 2013, 5(4), 1489-1493)、直接エチレングレコール固体アルカリ形燃料電池で発電に成功した。このような特定の研究成果に加え、I2CNERでは熱心かつ有能な若手女性研究者である山内准教綬が独自での研究キャリアを始める上で支援ができていることは特筆すべきことである。  

 

● 今後の方向性

省エネルギー分野において、香月教授グループによる研究はI2CNER研究に相応しいカーボン・ニュートラルな触媒反応の確立に著しく貢献している。数多く機会において、継続的かつ慎重になるのは、このような物質変換反応はインパクトの最も大きく、I2CNERのターゲット研究に最も関連が深い分野であり、また我々の協力研究環境に多大な影響力を与えることもあり、今後ともその評価に焦点が当たることになる。

 

新エネルギー分野に携わっている小江教授とRauchfuss教授の両主任研究者は、合成ヒドロゲナーゼの研究を加速度的に発展させ、最適化していくだろう。小江教授グループのブレークスルーを見ると、本研究は順調に軌道に乗っている。小江教授とRauchfuss教授両グループ間の取り組みで、生体模倣による水素活性化メカニズムの解明においてI2CNERは世界をリードする立場にいる。1、2年後には、現在小江教授によってリードされている、新触媒研究が燃料電池のプロトタイプとして統一されるだろう。

 

山内准教授グループは、省エネルギーと新エネルギーの両分野に貢献するため、カーボンニュートラル・サイクルに適したナノ合金触媒開発を行っている。今後は、水素を含む多様なエネルギーキャリヤーに対応可能な高効率触媒および高機能材料の開発に研究の重点を置く。

 

論文一覧

主任研究者

 小江 誠司 (部門長)
九州大学 大学院 工学研究院 応用化学部門
http://web.cstm.kyushu-u.ac.jp/ogo/

 山内 美穂
九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
http://i2cner.kyushu-u.ac.jp/~yamauchi/

研究者

  • 松本 崇弘
    九州大学 大学院 工学研究院 応用化学部門
    http://web.cstm.kyushu-u.ac.jp/ogo/modules/member/index.php/member/matsumoto.html
  • 内田 竜也
    九州大学 基幹教育院 教育実践部 自然科学部門
  • 貞清 正彰
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • Ki-Seok Yoon
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
    http://web.cstm.kyushu-u.ac.jp/ogo/modules/member/index.php/member/yoon.html
  • 北野 翔
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • 秦 慎一
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • Thomas Rauchfuss
    イリノイ大学 ア-バナ・シャンペーン校(米国)
  • 谷田部 剛史
    九州大学 大学院 工学研究院 応用化学部門
  • Nguyen Thi Thanh Nga
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • Yu Sun
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • 津川 智広
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 
  • 福嶋 貴
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 

研究支援者

  • 松元 朗子
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • Michaela Carlson
    イリノイ大学 アーバナ・シャンペーン校(米国)
  • Cui Xuedong
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • 竹中 慎
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所
  • 森 雄貴
    九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所

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