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水素貯蔵研究部門*

研究内容

*本部門は、組織改編により2017年6月1日をもって廃止されました


 ●目的

本部門における研究は、水素のモバイル型及び定置型貯蔵や水素輸送のための新しいキャリア材料を開発することを目的としています。モバイル水素貯蔵のような貯蔵材料を用いた貯蔵システムでは、水素燃料電池車に要求される項目として、体積、水素重量パーセント、コスト、高速充填放出、そして油井から自動車までの高いエネルギー総合効率での耐久性が挙げられます。水素吸蔵材料を用いた水素輸送システムでは、水素を大量輸送できるコスト効率が良いトラック輸送に焦点があてられています。材料を用いた定置型水素貯蔵は、既存の圧縮ガス水素貯蔵よりもコスト効率が良く、エネルギー効率が良いもので、また独自の水素貯蔵基準を満たすものでなければなりません。

本部門独自の重要な研究成果は、ある種の水素貯蔵材料の劣化メカニズムを微視的に示したこと、他の水素貯蔵材料については性能を向上させる先進的な材料合成法を開発したこと、そして3つ目は水素貯蔵材料の性能を大きく向上させ、まったく新しい材料のカテゴリーをつくり、水素貯蔵へ導く方法を発見したことです。

 

ロードマップ


●研究ハイライト

TiFeは、定置式貯蔵向けの低価格で理想的な水素貯蔵材料であり、液体水素よりもよりコンパクトに、穏和な水素圧力下、常温で水素を吸蔵・放出する。この材料は1970年代後半に貯蔵システムとして報告されたにも関わらず二十年間以上放置されてきた。その主な理由は、活性化(水素吸蔵・放出を開始させるための操作)が、水素圧力30気圧下(あるいはそれ以上)、400℃(あるいはそれ以上)の加熱が必要であったためである。当部門の主任研究者の秋葉教授と堀田教授のグループは継続的に共同で研究を進めた。特に、高圧ひずみ加工(HPT)手法によって活性化を不要とすることをターゲットとして研究を進めた結果、高圧ひずみ加工法によって強加工したTiFeは、高圧水素および高温を必要とせず、室温で容易に水素を吸蔵・放出する、すなわち活性化が不要という驚くべき現象を発見した。

 

 

TiベースBCC系水素貯蔵材料の研究に関して、水素化後のV-Ti合金の微構造変化を調べたところ、水素化されたV-Ti合金に導入されたミクロ双晶は有効水素吸蔵量の減少をもたらすことが判った。また、燃料電池自動車の水素タンクへの応用に関して最も期待できる材料の候補のひとつである上記以外のTiベースBCC合金の水素化/脱水素化特性および微細構造の研究も行った。

マグネシウムをベースにした材料の反応速度および熱力学的特性向上させるため、Mg/Ni薄膜の水素化機構の解明を当部門の重要な研究項目としている。薄膜の組成を最適化することは、より高い性能な材料を開発するのに有効である。Mg/Ni薄膜の微細構造とMg/Ni比の関係を、TEM(透過電子顕微鏡)を用いて解明しているところである。 

 

●今後の方向性

わが国の自動車メーカー3社および当該技術のステークホルダーとNEDOプロジェクトにおいて先進的車載用先端材料を開発する。大量の生産開発と用途を目指し、HPT(高圧ひずみ加工)技術を使って強加工したTiFeにおける水素貯蔵をさらに検討する。 

 

 

車載用の第1世代材料は、2020年後半~2030年代における実用化を目指している。実用化初期を目指し、当部門では高性能貯蔵システムにも焦点を当てる。ホウ素系水素貯蔵材料(ボロハイドライド)は10 wt %以上の水素吸蔵量を有しているが、反応速度と水素放出温度が目下の重大な課題である。ボロハイドライドの反応速度および熱力学をコントロールするため、水素放出/吸蔵の中間体に関する研究を行う。

水素化特性は、組織構造、つまりはナノ構造の強い影響を受ける。TEM(透過電子顕微鏡法)は、ナノ構造を観測するための最も強力なツールのひとつである。この技術は、ナノグレインの形態、結晶構造、界面組織・構造および化学分析に関する重要な情報を提供する。松田助教は、TEMを使用して水素化物の動的挙動を観察するため、水素雰囲気下測定可能なセル(in-situ測定)を自身のTEMに設置している。観測される材料は、現象への理解をより深めるためのモデル材料はもちろん、移動式・定置式双方への応用に関しての目標値に沿ったものである。

論文一覧

主任研究者

研究者

研究支援者

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